刑事部鑑識課警察犬係














巡査長 藤原智美さん
「目と目の会話、アイコンタクトが重要」
警察犬というと、犯人の腕に噛み付いて、「よし」と言われるまで離さないなんてシーンや、笹薮の中を捜査員と一緒に入って捜査するようなシーンを思い浮かべますよね。警察犬を訓練し、仕事を共にする警察犬係にはどんな思いがあるのでしょう。警察犬係の藤原智美さん(36歳)にお話を伺います。  藤原巡査長、よろしくお願い致します。

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藤原巡査長の現在の仕事内容を教えて下さい
一日の流れとしては、警察犬の健康チェック、訓練、お手入れ(爪きり、ブラッシング、シャンプー、排便)、犬舎の掃除、訓練用具の点検、それに1日1回夕方の餌やりなどです。そして出動依頼が来ると、すぐに現場へ急行します。  道警には現在、犯罪捜査犬が6頭、災害救助犬2頭がいるのですが、近く、更に爆発物捜索犬2頭が入舎予定です。今の私の相棒は犯罪捜査犬のグロル号(オス2歳)です。入舎して2ヶ月の新入り犬なので訓練も初歩段階です。犬の性格によって訓練の仕方が異なるため、1人が扱えるのは1頭か2頭です。犬は人間の言葉を理解しませんから、表情、声色、目、態度でコミュニケーションをとります。

yumetan_s
どのように訓練するのですか?
警察犬の訓練に餌は使いません。グロルは私にほめられるのが嬉しくって、ほめられたいから頑張ります。アメ8割、ムチ2割という感じですね。訓練ではうまくいかないことも出てきます。そんなときには、どうしてこの犬にわたしの思いは伝わらないんだろう、どのように伝えたら理解してくれるだろう、と自分を見つめなおすようになります。訓練をしていて、「通じてないなぁ」というときが自分にとっても犬にとってもスランプです。まだ、新米のグロルは捜査には出られませんが、これから一緒に成長していきます。警察犬は、民間の施設から選ばれた1歳くらいまでの犬が入舎し、10歳位まで警察犬の任務につき、引退後は民間の方に引き取られて余生を過ごします。警察犬の出動は昨年325件あったんですよ。

yumetan_s
警察官を目指したきっかけはなんですか?
多分、テレビドラマの影響ですね。題名までは覚えてないんですが。警察官になりたくて高校の時に道警採用試験を受けたのですが落ちたんです。そこで交通巡視員の試験を受け、交通巡視員として交通取り締まりの仕事をしていましたが、それでも、警察官になりたくて採用試験に再チャレンジしました。※(現在の道警に交通巡視員制度はない)

yumetan_s
警察官になってからはどんな経験をされてきましたか?
まず、交番勤務ですね。そのときに生活安全講習として腹話術で幼稚園児に安全についてのお話をする仕事もあり、そこへ警察犬係の方も来ていて、その仕事の様子を見ていて警察犬係になりたいと心に決めました。交番勤務後、道警本部の通信指令課で2年仕事をした後、念願かなって鑑識課警察犬係に配属になりました。警察犬係を5年経験した後、鑑識課機動鑑識班と現場係に課内異動し、そこでは事件解決のための指紋採取などの仕事をし、今年4月から再び警察犬係に戻ってきました。

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警察犬係の仕事を通して、印象的な出来事はどんなことがありましたか?
グロルの前に担当していた警察犬ウディロ号の訓練を始めて3年目のことでした。強盗事件の有力な手がかりを発見したこと、そしてひき逃げ犯が潜伏しているところを発見し、犯人逮捕をしたことです。いろいろな捜査に出動しましたが、犯罪捜査犬として犯人を逮捕できたのはその一回だけです。長い日々の訓練の積み重ねが犯人逮捕につながったので、それまでやってきたことの手応えをはっきり感じることができ、嬉しかったです。これからも事件解決のために、自分はどう動けばいいのか、グロルと自分をしっかりみつめて日々の仕事に取り組んでいきます。 グロルは藤原巡査長の鏡でもあるんですね。

yumetan_s
最後に、子どもたちへのメッセージをおねがいします。
社会に出る前は体つくり、体力つくりが大切です。健康あっての仕事ですからねっ。本当に大切なことです。

yumetan_s
自分の体調だけでなく、グロルの健康も考えている、藤原巡査長のメッセージには重みがありますね。 ありがとうごさいました。

【編集後記】
事件解決のために、人間も全力で捜査をしますが、犬の能力を最大限にひきだして共に捜査活動するのが警察犬係。その昔、人類は生きていくための糧を得るために犬と一緒に狩をしました。目的を達成するためのチームワークは人間同士だけではないのだと気がつきました。仕事の相棒が犬だからこそ、日々信頼関係とコミュニケーションを密に確認しあうことが大切なのですね。(あきたん)