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「事実を立証するための証拠をそろえる、明確にするのが鑑識の役目です」
広い北海道で生活するのに欠かせない車。北海道は車社会と言っても過言ではありません。車に関する事故を専門に鑑識する交通鑑識係主任の山川顕吾さん(37歳)にお話を伺います。
 山川巡査部長、よろしくお願いいたします。
交通鑑識という言葉を初めて聞きました。どんな仕事なのですか。
例えば、交通事故が起きたとします。人が倒れていて、車が大破している。現場状況や目撃証言から、何時ころにどれくらいのスピードでどちらの方向から車が走ってきて、どの角度で人をひいてしまったのか。現場にあるブレーキ痕や車の破片、壊れ具合、傷、などの状況を押さえ、鑑定材料を探し、事故の内容を解明していく仕事です。
事故の原因が不注意なのか、その大元はなになのか、責任はどこにあるのか、証明できるように証拠を集め、解明することが私達の使命です。事故を起こしてしまった人の話のつじつまが合っているのかどうかなども捜査します。事故の内容も、車と物、車と人、車と車、車とバイクなどです。裁判になるケースも多いので事件解決には2、3年かかる場合もあります。たいてい、交通捜査員と交通鑑識、科学捜査研究所が連携して解決していきます。

北海道は交通死亡事故ワースト1とよくいわれていますから、仕事も多そうですね。
関わった印象的な事件はどんなものでしたか。
一年半前におきた死亡ひき逃げ事件ですね。人が倒れているところから捜査がスタートしたのですが、事故の目撃者がいなくて、情報集めに苦労しました。やっと怪しいトラックの情報をつかみ、持ち主も判明したのですが、トラックはきれいに洗われていて決定的な証拠が消えてしまっています。最終的には道路交通情報カメラから手掛かりを得て解明し、裁判で解決しました。
現場に落ちている部品、ボルト1本でさえも、車種を割り出すための材料として捜査をします。あらゆる車の、部品に詳しくなりましたね。とっても地道な作業ですよ。地面の様子や部品、車のパーツなど、いつも物と向き合っているかんじですね。

車との関わりが深いですね。車はもともと好きなのですか。
大好きです。始めはバイク好きからスタートしたのですが、車とは縁が深いですね。大学で理工系のなかの交通工学を学んだのです。道路の交通状況とか輸送とか建設に関わる分野です。車に乗るようになったのは大学のときですね。道路について学んだということで、卒業後は建設会社に就職し、施工管理の仕事をしていました。プライベートでは車好きが生きてラリーにも出ました。警察官採用試験を27歳のときに受けました。交番勤務中に、車が好きなので、交通課に希望を出しました。初めはなんにも考えずに希望を出したのですが、すぐ希望通り異動できました。交番勤務後は、交通規則・交通事故捜査を経て今の交通鑑識に配属になりました。

バイクも交通工学も建設会社もラリーも現在のお仕事と大筋が通っている感じがしますね。
その時々の判断でですが、振り返ってみるとなんとなくつながっているかもしれません。今も、過去の付き合いのなかから得た友人や仲間からの情報やアドバイス、人脈が仕事に役立っていることが多くあります。今後のは人体や法医学についての知識をつけたいと考えています。交通事故に遭ったときの人体には特有の跡や反応が出るのです。事故現場では様々なことを読み取らなくてはなりません。車のことだけでなく、人体を知ることで事件解決が更に早くなると考えています。
 
常に向上心を持って仕事に取り組んでいらっしゃるなかで、必要な知識を強化していくのですね。
読者にメッセージをお願いいたします。
何でも、興味があったらまずやってみてください。興味がある、好きだなと思っているなら、やろうかどうしようかと悩む時間はもったいない。まずやってみて、それから判断することが大切です。私は車が大好きです。でも「好きなこと=楽なことではない」というのが私の持論です。やってみて分かりました。答えは人それぞれ違いますから、自分でやってみないと本当の自分の答えや判断は出せません。それから、警察官を目指す方へは剣道や柔道をやっておくといいですよ。警察官に必要な基礎体力は剣道と柔道です。私は小・中学校とも少年野球で育ち、高校時代はラグビーで体を作って体力には自身があったのですが、剣道、柔道は初心者でしかも大の苦手で、悔しい思いをしました。やっとけばよかったなー。体力には自信があるんだから若い頃にやっていたらもっと出来たはず(笑)。

確かに、新しいこと、未経験のことをするには、二の足踏んだり、やりたいと思うだけで終わってしまったりしがちですが、時間もったいないですね。山川巡査部長、お話していただき、どうもありがとうございました。
【編集後記】
職業病はありますか?と聞くと、「この仕事するようになってからはいつでもどこでも、車の車種、デザインと、はいているタイヤの組み合わせ、タイヤの模様に目がいってしまうんですよね。車好きでもそんなとこに着目する人っていませんよね。駐車場とか信号待ちでいつもチェックしちゃうんですよ」と答える山川巡査部長。その笑顔は、仕事もプライベートも頑張っている人の笑顔でした。(あきたん) |
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