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「警察事務職員として横断歩道のシマシマに関わっています。」
警察官の仕事が多岐にわたるように、その仕事をサポートする事務職もいろいろな仕事があります。事務職員なくして警察組織はうまく動かないと言われています。中でも、施設に関係することを仕事とする施設課契約係主任の佐藤淳さん(31歳)にお話を伺います。
 佐藤さんよろしくお願いいたします。佐藤さんが警察職員になったきっかけはどんなことだったのですか?
父が国鉄の職員で公務員だったので、小さいころから「公務員はいいぞ、公務員になりなさい」と言われて育ったのが大きいと思います。小学、中学と剣道部に所属していて、釧路中体連では優勝しました。高校卒業後は大学へ進学することにし、将来は公務員と考えていたので学部は法学部を選びました。人生で一番勉強したと思えるくらい、死に物狂いで受験勉強をしましたね。自分でもよくやったと思います。

学生時代の思い出はどんなことがありますか。
大学時代はバイトの鬼でしたね。ウェイターや測量補助のアルバイトを目いっぱいやりました。他には、学生で組織する学生部のなかの厚生委員会に所属しました。厚生委員会は40年以上の歴史があり、東北学院大学、慶応大学とも交流がある委員会で、メインの仕事は大学にアルバイト求人がくると学生に「こんな仕事があるよ」と伝えるのが仕事でした。これが楽しかったですね、勉強会と言って、交流のために各大学へ出かけていったり、飲み会をしたりしました。上下関係がとても厳しかったのですが、それがかえって勉強になりましたね。卒業後、公務員試験に合格、警察に一番興味があったので警察事務を志望しました。昔は北海道職員試験と言って、道庁と警察事務と学校事務の試験が一律で二次試験で受験者は希望を出し、試験に合格してもすぐには勤務先がどこになるのかわからなかったんですよ。
 バイトに委員会にとかなり活動的な大学生活を過ごされたのですね。
警察事務職員としてのこれまでの経験も聞きたいです。 まず釧路方面本部警務課の装備係に配属になり、拳銃やパトカー、制服などの管理をする仕事をしました。中でも印象的なのは警察手帳の中に入っている身分証明書を作成する仕事ですね。異動で配属が変わったり、昇任したりすると身分証明書も作りかえるのです。ここで2年仕事をし、その後ワインで有名な池田町の警察署の会計給与係で3年間給与計算や消耗品の管理、落し物の受付窓口業務をつとめました。その後は釧路警察署で給与に関する業務、旭川方面本部の会計課にも勤務、このときは住民の声を聞きながら、交番を設置するための土地を借りる手続きも経験しました。警察事務職員9年目に現職に配属になりました。
 現職の仕事、施設課の契約ってどんなものがあるのですか。
私が直接関わったものでは、交通標識、信号機、横断歩道のシマシマを道路に塗装する工事業者との契約業務、警察の所有する建物を維持するための清掃会社、修繕会社、管理会社などとの契約などです。
普段あまり数えることはないと思いますが、横断歩道や信号機ってたくさんありますから地域にわけて複数の会社と契約を結びます。信号機ひとつとっても、現在ある電柱に信号機だけを取り付ける場合と、柱を新たにたてて信号機を取り付けるのではまったく金額が変わってきます。なので、内容や金額をひとつひとつ確かめながら契約業務を進めています。
 数が多い分、書類も山のようにありそうですね。常に書類と向かっているような感じですか?
書類のやりとり以外にも、個別に打ち合わせをしたり、数社を集めて説明会を実施することもあります。
たくさんの会社とのやりとりを交通整理しながら契約業務にあたっているので、書類だけが仕事相手という感じではないですね。
  契約業務をしていて気をつけていることはありますか。
気をつけているのは、仕事を机上で自己完結しないようにしようということです。契約係になって1年と8か月なのですが、契約業務であっても現場の警察官の声を大切にしよう、契約に至る経緯を警察官に直に聞きに行く姿勢を持とうと思っています。
信号機や横断歩道を設置する際には、まず住民の声やその道を使う人からの要望があって、設置場所や様式の検討があり、警察官の方が様々な角度から協議をした上で決定がなされます。ほとんどのことが決められて最後に契約をお願いします、と私のところへ仕事がまわってきますので、書類を交わすことにだけとらわれていると、やり取りの相手である業者だけが自分の仕事相手になり、机上で自己完結してしまいそうになるのです。なぜ、どうしてこの標識、この信号がこの場所に必要なのかという理由を大切にするには、現場警察官の声が欠かせません。そこからこの契約が適切なのかを意識します。
 さすがですね、仕事が役割ごとに分割されているからこそ全体を認識して契約業務にあたるのですね。警察事務職員になって印象的な出来事はありますか。
そうですね。はじめの2年はいつも朝仕事が始まって、向き合うのは警察官と机上の仕事。「事務の仕事はこんなもんだ」って思っていました。接する相手も警察内部の人間だけですから、みんな身内なわけです。ところが、落し物の受付業務で初めて一般の方と接するようになってから、直接「ありがとう」と感謝される言葉をもらう機会が増えて、それが励みになると相手のことを思って接するようになり、相手が理解し易い言葉で説明することの重要性に気が付いたのです。相手にどう伝わるか、配慮した説明や受け答えが、具体的に行動に表せるようになったのは、感謝される喜びを知ってからですね。
嬉しい対応をされると、もっと頑張ろうと思いますよね。
 辛いことはありましたか?
辛いことも、ありましたね。一番苦しいと感じたのは就職7年目くらいですね。そのときは、仕事を辞めることまで真剣に考えました。でも、「辞めて逃げるのは簡単だ、いつでも逃げられる。もう少しやってみよう」そう考えると、乗り越えることができました。辞めなくて、よかったです。
読者の方も、苦しい時があったら逃げる辞め方ではなく、「完全にやりきった。逃げではない」と思えるところまであきらめずに続けて欲しいですね。誰にでも、どんな仕事でも辛いときはあると思います。だからみなさん、完全にやりきるまであきらめないで下さい。
 佐藤さん、たくさんのお話を聞かせていただき、どうもありがとうございました。
【編集後記】
警察の代表者として契約手続きを進める話を佐藤さんから聞いていると、まるでやり手の営業マンのよう。警察事務職といっても、組織が大きく課もたくさんあるように、幅広い仕事の種類があります。円滑に物事が進むようにするための大切な警察事務職員。メディアに出る機会は少ないけれど警察官と同じ使命を持っていると強く感じました。(あきたん) |
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