
「本場のハム・ソーセージに出会って」
みなさんこんにちは!今日お話を伺うのは、ドイツ伝統のハム造りを再現し、本物を造り続けている 札幌バルナバハム株式会社 専務取締役 営業本部長 杉林 眞さんです。よろしくお願いします!

杉林専務は札幌バルナバハムの創業メンバーとお聞きしていますが、この会社を設立する以前はどんなお仕事をされていたのですか?
農業高校の食品加工科を卒業した後に、大手食品メーカーに勤めました。チーズやバターなどの乳製品を造りたいと思って入社したのですが、入ってみたらハムやソーセージを製造する仕事でした。よく確認しないで入社試験を受けてしまったんです。(笑)

では希望していた仕事とは少し違ったわけですね?
でもやってみたらとてもおもしろい仕事だったんです。入社して2年間は肉をつめる作業、その後2年間はスモークと熱処理を担当しました。そして入社4年目にスパイスを調合する作業を任されたのです。スパイスの調合は商品の味を左右するとても重要な部分ですからね、ハム造りの心臓部のような仕事なんですよ。

責任重大な仕事を入社4年目で任されるなんてすごいですね!
いやいやそんなことないですよ。その頃の私は仕事も一生懸命やりましたが、遊びも一生懸命やりました。休みになれば大勢でキャンプに行ったり、車15台くらい連ねてドライブに行ったり、大通公園の噴水で泳いだこともあります。(笑)
私は寮生活をしていたのですが、部屋にはいつも誰かが遊びに来ていましたね。朝方まで飲んで仕事に行くなんてこともよくありました。でも仕事は絶対に休みませんでしたね。3日間寝ていなくても、どんなに二日酔いがひどくても必ず仕事に行きました。休んだことは1日もありませんでしたね。大勢の職場の仲間と良い関係ができていましたから、そんな所が評価されてスパイスの調合を任されたのかもしれません。
私は、スパイスの調合を任されるようになって、ハム・ソーセージ造りの本当のおもしろさを知りました。この味だったら売れるかな?売れないかな?と想像したり試したりすることもワクワクしましたし、自分が調合したものは世界で1つしかないわけですから、それを食べて「おいしい」なんて言われたら、最高にうれしいわけですよ。 自分が造ったもので人を喜ばすことができるというのは、お金には代えられない最高の喜びですね。

そうですよね。ものづくりの仕事でしか味わえない感動ですよね。ところで、この会社を設立したきっかけは何だったのですか?
本場ドイツのハムやソーセージを食べたときにすごい衝撃を受けました。自分たちが造っていたものとは全然違うんですよ。一度そういう味を体験してしまうと、自分で造りたくなっちゃうんですよね。技術屋というのはどうしても世界で1番を目指したくなるものなんです。(笑)それで、10年間勤めた会社を思い切って辞めました。出資してくださる企業も見つかり、同じ思いを持っていた会社の仲間5人でバルナバハムの前身であるマツダ食品を設立しました。

そうだったんですか。では本場の造り方を学ぶためドイツに行かれたのですか?
いえ。設立当初はドイツからマイスター(親方)を呼んで本場の製法を学びました。その当時の日本のソーセージは、ロースベーコンを造る過程で出る肉の切れ端を使うというのが一般的だったのですが、ドイツではソーセージにもいい肉を使うんです。これも衝撃的でしたね。おいしい良質なお肉をたくさん使って造りますから、それはおいしいわけですよ。大量生産では決してできないものでしたね。その後、13年目にドイツ、フランス、チェコスロバキア、オランダと回りました。

本場のものはそんなにおいしいんですか!お話を聞いているだけで食べたくなっちゃいますね。バルナバハムさんでは今まで何種類くらいのハムやソーセージを開発したのですか?
たぶん1000種類近く開発していると思いますよ。ドイツには約1500種類はあると言われています。

えぇー!!1000種類も開発したのですか?ものすごい数ですね。
そうですね。アレンジしながらいろんなものを造りましたけど、やっぱりベーシックなものが残っていくんですよ。今でも、会社設立当時に開発した商品が3〜5種類残っているけど、全部ベーシックなものですからね。当社では年間150種類くらい新商品を開発してますが、売れるのは1〜2種類くらいかな。開発した自分たちが、「これはいける!」と思った商品ほど売れないんですよね(笑)

それは不思議ですね。でも、平成15年にドイツの農業協会国際品質協議会ハム・ソーセージコンテスト(DLG)で金賞を受賞されたとうかがいました。
そうですね。当社のトップ技術者が出品し、そのときは金賞5品目と銀賞2品目を受賞することができました。初めての出品でまさか受賞できるとは思っていなかったのでとてもびっくりしました。DLGで金賞を受賞できたということは、私たちのやってきたことが、本場ドイツに受け入れられ認められたということですから、それはうれしかったですよ。それから毎年出品していまして、今年も金賞を9品目受賞することができました。今年で5年連続金賞受賞となるので、10年連続を目指して頑張りたいと思っています。

ぜひがんばってください!では、杉林専務の今後の目標を教えてください。
健康アドバイザーのようなことができればいいなと思っています。これまで培ってきた知識や情報なんかを、周りの人たちに還元していけたら良いなと思っていますし、食べ物を通して健康への意識を高められるような活動をしたいですね。

すばらしい目標ですね。それでは最後に、これから社会に出ていく皆さんにメッセージをお願いします。
友達を多く作ること、人と人とのつながりを大切にしてください。人から教わること、人から情報をもらうことはとても大切ですし、また、自分が人に何かを与えることもとても大切です。今は、一人で勉強して一人で遊んでということが当たり前の時代ですが、仲間と一緒に勉強する、遊ぶ、チームワークが必要なスポーツをするなんていう経験がとても大切だと思いますよ。

何か1つのことにみんなで取り組む、協力するという経験は本当に大切ですよね。今日は貴重なお話をたくさん聞かせていただいて、ありがとうございました。
【編集後記】
「ハム・ソーセージの話になると止まらないんですよ」と目をきらきらさせながら、いろんなお話を聞かせていただきました。本当にハム・ソーセージが好きなんだなということがビシビシ伝わってきて、「プロフェッショナルってこういう人のことを言うんだな」と実感しました!36年間「製造一筋」で新商品の開発や品質管理をされていた杉林専務ですが、現在は営業本部長として忙しい日々を送られているそうです。「今の仕事は、お客様の反応が直接わかりますから、おもしろいですし楽しいですよ」とおっしゃっていました。(めぐたん)

札幌バルナバハム株式会社 http://www.barnabas.jp/